2007年10月31日
駆けぬけた奇跡
約30年前にキラ星のごとく現れ、わずか約6年で消えたとあるサッカーチームの奇跡を追う。永大産業株式会社社長深尾茂の一言が発端となり誕生した新参サッカー部が日本のサッカー界に激震を起こした様を、けして晴れ晴れとした純粋なスポーツフィクションではなく、金と政治が横行する完全なるリアルなノンフィクションで描いている。現在のような華やかなプロリーグではなく、社会人リーグという黎明期の日本サッカー界の中で栄光を掴み消滅した初めてチームと、そこに関わった街、選手、監督、関わった全ての人々のこころの絆が長い年月を経た今の日本サッカーに継承されていることに感動を受けた作品だった。